レッスン 3

LaTeX を実行する

レッスン2で述べたように,LaTeX 文書は単純なプレーンテキストです.そのことを確かめるために「はじめての LaTeX 文書」を Windows の「メモ帳」などのシンプルなテキストエディタで開いてみましょう.そうすると,LaTeX 用のエディタで見たのとまったく同じテキストを,一切のキーワードハイライトなしに見ることができるでしょう.

また,こうした LaTeX 文書はエディタを使用しなくても PDF に変換することができます.それにはいわゆるコマンドプロンプト(またの名をターミナル)を使用することになります.もしこうしたものに慣れていないようであれば,以下のことは試さなくても構いません.もしコマンドプロンプトに馴染みがあるようであれば,.tex ファイルのあるディレクトリ(フォルダ)に移動して以下を実行してみましょう:

ptex2pdf first

または

ptex2pdf first.tex

これにより PDF が生成されます.ここで拡張子 .tex は省略可能であることに注意してください.LaTeX は特に拡張子を指定しない限り,ファイル名には .tex が付くものとして解釈します.

日本語 TeX 特有の事情:DVI を経由するワークフロー

特殊文字

もし LaTeX の特殊文字を PDF に出力する必要があるとき,多くの場合は単純にその記号の前にバックスラッシュを付けるだけで所望の結果を得ることができます.例えば { を印字したい場合は \{ のようにします.ただしいくつかより長い名前を持つコマンドを使用しなければならない場合もあります.

記号短いコマンド
(テキスト・数式)
長いコマンド
(テキスト専用)
{\{\textbraceleft
}\}\textbraceright
$\$\textdollar
%\% 
&\& 
#\# 
_\_\textunderscore
\ \textbackslash
^ \textasciicircum
~ \textasciitilde

最後の3つの記号については短いコマンドは用意されていません.なぜなら \\ は強制改行を作るコマンドで,残る \~\^ はそれぞれ対応するアクセント記号を ASCII 記号のみで出力できるようにするためのコマンドになっているからです.